ミッションの重要性
世界的な経営学者のピーター・ドラッカーはビジネスにおけるミッションについてこう述べています。
「考えるべきは、ミッションは何かである。 ミッションの価値は、正しい行動をもたらすことにある」
あるいは
「ミッションが定まれば取るべき行動は明らかである」と。
ビジネスにおいてミッションが明確であると「やるべきこと」と「やるべきでないこと」がはっきりとして、効果的な行動が可能になり、結果に結びつきやすくなります。
ミッションとは直訳すると使命のこと。では使命とは何でしょうか?
goo国語辞書には「使命とは、与えられた重大な務め。責任をもって果たさなければならない任務。とあります。
使命として主に以下の例が挙げられます。
・自分と自分の周りの人々を信頼する人生を生きる
・助け合いの精神に日々努める
・全ての人にやさしく礼儀正しく接し、敬意を払う
・誰かを変えようとする前に、まず自分が変わることを肝に銘じる
・到達できる目標を定める
・言葉ではなく、態度で語りかける
・小さなことでも当たり前だと思わない
・自分より不幸な人や、つらい日々を過ごしている人を助ける時間を作る
・他人が自分と違うことを認め、その多様性を受け入れ、大きな利点と見る
使命というと崇高なイメージがします。
それではビジネスで成功される経営者は最初から崇高な使命を持っているのでしょうか。
アメリカの心理学者アブラハム・マズローは「人間は自己実現に向かって絶えず成長する」と仮定し、人間の欲求を5段階の階層で理論化しています。
1、生理的欲求・・・生命を維持するために本能的な欲求で、食事・睡眠・排泄など。
2、安全の欲求・・・安全性、経済的安定性、良い健康状態の維持、良い暮らしの水準、事故の防止、保障の強固さなど、予測可能で秩序だった状態を得ようとする欲求。
3、社会欲求と愛の欲求・・・自分が社会に必要とされている、果たせる社会的役割があるという感覚。どこかに所属したいという欲求。
4、承認の欲求・・・自分が集団から価値があると認められ、尊重されることを求める欲求。二段階のレベルがあり、低いレベルの尊重欲求は、他者からの尊敬、地位への渇望、名声、利権、注目を求める欲求。高いレベルの尊重欲求は、自信・自律性、自分からの評価を重視する欲求があります。
5、自己実現の欲求・・・以上の4つの欲求を満たした上で、自分の持つ能力や可能性を最大限発揮し、具現化して自分がなりうるものにならなければならないという欲求。
5つ目の段階に達した時が使命を持って、それを実現するために行動している状態です。
マズローは、5つ目の段階以外の4つの欲求を満たした上でその段階に辿り着くと述べています。
ビジネスで成功した経営者もまずはひとつひとつ段階を経て最終的には『ミッション』に辿り着きます。
ビジネスのスタート時にはまず満たしたいものを決めて行動し、そして段階を上げていきましょう。その中でミッションが徐々に明確になっていきます。
そして自らのミッションに辿り着いた時には、人生の充実感を得て、正しい行動が可能で結果をつくれる自分になっているでしょう。
正しい行動を取れる個人や企業は長く繁栄していきます。
チーム株式会社
代表取締役 太田泰史
歴史から学ぶ 変革の時に大切なこと
仕事や商売においてさらなる大きな結果を作るときには、自分自身や組織を大きく変える時があります。
そのような変革の時にはどういったことが大切になるのでしょうか。
様々な偉人や経営者は歴史から学ぶことの重要性を唱えています。
経営者のお薦めのビジネス書に「坂の上の雲」や「太閤記」など歴史書が並ぶ場合も多いです。
歴史は繰り返すと言いますから、未来を予想する上で過去から学ぶことも役に立ちます。
ここでは日本の歴史から変革の時に大切なことを学んでみます。
日本の歴史を見ると時代毎に大きな変革が何度か起きていますが、その中でも様々な経営者に注目されるのが
『明治維新』
です。
歴史の授業で必ず習う項目ですが、そもそも明治維新とは、黒船来航をきっかけに江戸幕府が倒れて武士の世が終わり、日本が近代国家に生まれ変わった過程です。
政治経済、身分制度、法体系などあらゆる分野が一新した一大変革期と言えます。
どうしてそのような大きな変革ができたのでしょうか。
その理由を一つ一つ見ていきます。
1.世界の情勢を踏まえしっかりとした危機感を持ったこと
江戸時代は日本は太平の世で200年以上もの平和が続いていました。
しかし世界はそうではなく、欧米列強がアジア諸国を植民地にするために進出しており、日本も自ら力を持たなければその危険性がありました。
世界の情勢を踏まえしっかりとした危機感を持ったことが変革のできた第一の理由です。
2.明確なビジョンがあったこと
「富国強兵(国家の経済を発展させて軍事力の増強を図ること)」
「殖産興業(産業を育成すること)」
これは明治維新の具体的なスローガンですが、欧米列強に対抗できる国家にするというビジョンがあったため、具体的にやるべきことも明確でした。
3.モデルから学んだこと
その時代の大国であるイギリスやドイツ、フランスなどから徹底的に学びその諸制度を取り入れています。
日本古来の制度があるからと頑固にならず、ビジョンの達成に必要なことをどん欲に取り入れました。
4.新しい人材活用
完全ではないですが身分制の撤廃や大学を作ることで、多くの国民が新しく高等教育を受けて立身できる道が開けました。
本格的な義務教育や女性の教育もこの時代からです。
ここでは国家の変革という大きなテーマでしたが、個人においてもこういった視点は取り入れることができます。
1.世界の情勢がどのようになっているか広く見聞を広げること。
世界の情勢は刻一刻と変化しており特にアジア諸国の経済発展は著しいです。
またテクノロジーの進化に伴い優秀な外国人労働者が日本に流入しています。
日本人だから大丈夫ではなく、自分の仕事が将来も自分しかできないことなのかいい意味での危機感は必要です。
2.個人でも明確なビジョンを持つこと。
終身雇用・年功序列が崩壊し会社が将来設計をしてくれる時代は過去になりつつあります。
自分で自分の将来のビジョンを決めていくことが大事です。
3.自分のビジョンを実現するためにそれを既に実現している人をモデルとして学ぶこと。
学ぶことは真似ることなので、モデルとなる人の真似していくのもよいでしょう。
4.個人であれば新しい学びを常に得ていくこと。
新しいことや新しい環境で学ぶことは自分自身の新しい可能性の発見に繋がります。
世界の情勢から学び、自分の今後のビジョンを決めてモデルを決めてそこから学び、新しい環境で自分自身を教育していきましょう。
チーム株式会社
代表取締役 太田泰史
コミュニケーション力の重要性
ロボットやAI(人工知能)の技術革新により、携帯電話、インターネット、コンビニ、交通手段が進化を遂げ、私たちは便利で快適な生活を送る事ができるようになりました。
そして今後、今まで以上に早いスピードでロボットやAI(人工知能)が進化をし続けていきます。
生活が便利で快適になる一方で、このままロボットやAI(人工知能)が進化を続けると、私たちの働き方に非常に多きな影響を及ぼすとも言われています。
その理由は、現在ある多くの職業がロボットやAI(人工知能)に代行され、多くの人が職業を失う時代がくると予想されているからです。
私たちの未来の働き方に関して、ここ数年で様々な見解が発表されています。
GoogleのCEOラリー・ペイジ氏は「人工知能の急激な発達によって現在日常で行われている仕事がロボットに代行されることになり、近い将来には10人中9人は今とは違う仕事をしているだろう」
と述べています。
Microsoftの元CEOビル・ゲイツ氏は「創造性を必要としない仕事はすべてテクノロジーに代行される」と述べています。
また、2014年に英国デトロイト社は「英国の仕事のうち35%が、今後20年でロボットに置き換えられる可能性がある」と発表しました。
そして、オックスフォード大学の研究報告では「今後10~20年ほどで、IT化の影響によって米国の702の職業のうち、約半分(47%)が失われる可能性がある」と述べています。
下記は、特に無くなる可能性が高い(90%以上)と算出されている職業です。
今後10~20年後、特に無くなる可能性が高い(90%以上)と算出されている職業
・銀行の融資担当者
・スポーツの審判
・不動産ブローカー
・レストランの案内係
・プログラマー
・駅員
・トラックの運転手
・保険の審査担当者
・動物のブリーダー
・電話オペレーター
・給与、福利厚生担当者
・レジ係
・娯楽施設の案内係、チケット係
・カジノディーラー
・ネイリスト
・クレジットカードの申込者の承認、調査を行う作業員
・集金人
・パラリーガル
・弁護士助手
・ホテルの受付
・電話販売員
・仕立屋
・時計修理工
・税務申告書代行者
・図書館員
・データ入力作業員
・彫刻師
・苦情の処理
・調査担当者
・簿記、会計、監査の事務員
・検査、分類、見本採取、測定を行う作業員
・映写技師
・カメラ、撮影機器の修理工
・金融機関のクレジットアナリスト
・メガネ、コンタクトレンズの技術者
上記の職業の特徴は、申請業務や手配業務が多い業務、また既にIT化が進んでいる業務、過去のデータを分析して結論を出す業務が挙げられています。
では、ロボットやAI(人工知能)が中心となる未来、残る職業は一体どんな職業でしょうか。
下記は、ロボットやAI(人工知能)に代行されないと算出されている職業です。
今後10~20年後、ロボットやAI(人工知能)に代行されないと算出されている職業
・経営者、COO
・経営幹部
・経営企画
・事業企画系
・営業系
上記の職業の特徴は、コミュニケーションを通じて相手の意図や状況を汲み取りながら臨機応変に対応する業務や、新たな事業・サービスを企画する業務です。
その鍵となる力が「コミュニケーション力」「新しい事業を生み出す力」「世の中の変化に対応していける臨機応変さ、柔軟さ」です。
Microsoftの元CEOビル・ゲイツが人工知能の未来を予言しうる最高の人物と評しているレイ・カーツワイル(アメリカの発明家・未来学者で人工知能研究の世界的権威)は下記の予想を述べています。
【2029年、ロボットやAI(人工知能)の知性が、人間を超える】
【2045年、ロボットやAI(人工知能)が、全人類を合わせた位の知能をもつようになる】
ロボットやAI(人工知能)によって生まれる合理性と、私たち人間にしかできない独自性を切り分けて考えられる人材が必要とされる時代がもう目の前にやってきているなと感じます。
そのために私たちは今からどんな準備を選択していくかが非常に重要です。
今、世の中に存在している会社、職業が未来もずっと存在するという保証はありません。
コミュニケーション力を磨き、未来を想像し創造していく力をつけ、世の中の変化に柔軟に対応していく力を磨き、世の中、会社、職業に保証を求めるのではなく、自分の人生に自分で保証をつけていける力を育んでいきましょう!
チーム株式会社
代表取締役 太田泰史
メンターの存在
学校には先生がいたように、導く者がいる組織は大きく伸びます。
ビジネスの世界においても、同様です。
理想の人生を過ごし、自分を成功に導くためには、自分では想像を超えてしまうような道を創ってくれるメンターの存在が欠かせません。
師匠と弟子の関係とも言われます。
メンターを持つ人、持たない人では、スピードも環境も使える能力もすべてに差がつくのです。
その結果、仕事、お金、人間関係(チームワーク)などあらゆる人生に大きな差が生まれます。
人材育成の一環としてメンター制度を導入する企業や組織も増えてきました。
仕事や職場関係などの精神的な面も含め、コミュニティにおける人間関係、キャリア形成から生活上の悩み相談まで受けながら成長していくためのサポートを行っている企業も多いようです。
メンターという言葉は様々な意味で使われていますが、
もともとはギリシア最古最大の叙事詩人ホメロスによる叙述詩『オデュッセイア』に登場する賢人「メントール(Mentor)」の名前が由来です。
メントールは、この主人公でギリシア神話の英雄・オデュッセウス王を勝利に導く助言者で良き支援者でした。
そこから、メンターは、良き助言者、指導者、教育者、師の意味で使われるようになりました。
あなたが壁にぶち当たった時に助言をくれたり、解決策を提示してくれる存在、それがメンターです。
迷いを取り払ってくれる存在と言っても良いでしょう。
目標設定、目標達成における重要なきっかけとなり、チーム・組織においては、全体の方向性を定めるためにもメンターの持つビジョンや目標・目的がとても参考になります。
ただ、メンターというのは手取り足取り教えてくれるわけではありません。
アドバイスをもらって、実際に行動するのは教えてもらった本人です。
メンターの出会いは、縁によるものが大きいと言われます。
コミュニティで偶然メンターに出会うこともあるでしょう。
ふとした出会いでも、そこからとても重要な関係に発展することがあります。
一度つながると、真剣に向き合ってくれることでしょう。
メンターからはこれまでの親や先生、学校からでは学べなかったことを学べる可能性があります。
メンターを持つ意味と重要性について、他に挙げられるのは自分の思考パターンが変わるということです。
今まで頭の中で考えられなかったものが、考えられるように変わる、ということです。
より大きな目標に向かう力、自分の中の価値に気づくためのきっかけが多く与えられます。
また、最後に、メンターは良いことをだけを言ってくれる人ではないということも付け加えておく必要があります。
いいことはいい、ダメだと思うものはダメだと判断しくれる。
しっかりと指摘をし、正してくれる人がいいですね。
優れた事業家、経営者のチームビルディングを行う上で、メンターの存在はこのようにとても重要なのです。
チーム株式会社
代表取締役 太田泰史
能力開発と自己投資の価値
「企業は人なり」-松下幸之助氏の言葉です
組織における最大の資産である「人」に価値を持たせてゆくこと
つまり、「人財」こそ最大の資産です。
このように人材を「人財」と記載するところも多く、企業にとっての「財産」であるという認識が浸透しています。
インターネットがいくら普及しても、企業の製品やサービスは、人によって作られ提供されています。
当たり前ですが「人」なしでは、企業・組織の活動は成り立ちません。
「人材」を「人財」へと育む。
そのための考え方が、能力開発と自己投資です。
一流のプレイヤーから、最高の軍師・戦略家に至るまでに活躍する人が
それぞれの階層で求められる能力についてはハーバード大学教授の
ロバート・カッツ氏が下記の3つに整理しています。
・ テクニカルスキル(業務遂行能力)
・ ヒューマンスキル(対人関係能力)
・ コンセプチュアルスキル(概念化能力)
です。
最高のチームを作るために、常にこれらの能力を磨き続けましょう。
そして、チーム・環境そのものがこれらの能力を磨ける空間であることが大切です。
では、次に3つのスキルを順番に解説してゆきます。
テクニカルスキルというのは、いわゆる「ロジカル・シンキング」とも呼ばれます。
問題を発見し、解決するための能力です。
「そもそも、今、何が問題なのか」を認識する能力となります。
また、問題の原因を分析し、筋道を立てて解決策にたどり着くために必要な力です。
タイムマネジメント、タスク管理能力などもここに当てはまります。
ヒューマンスキルは、いわゆる「コミュニケーション能力」
チームにおける課題を解決してゆくために、周りに伝え、共有し、全員で解決へ向かうことや、
良好な人間関係を作り、そして組織の能力を最大化して成果を作るためには
グループにおいてポイントを押さえた報告、連絡、相談をすること、そしてそのための能力が必要となります。
また、自分だけではなくさまざまな立場、考え方の人を理解することも重要です。
チームビルディングに最も直接関連するスキルと言えるでしょう。
コンセプチュアルスキルは、「クリエイティブな能力」
新しい顧客を開拓したり新しいサービスを開発するためのアイデアを生み出し
これまでの常識に囚われない発想につながります。
それぞれのサービスや役割がどのように関係しているのか、依存しているのか、影響しているのか、など
全体を見る能力が高まることを意味します。
また、コミュニケーション能力と組み合わさることで顧客へ新しい価値を伝えることが出来ます。
こういった能力を伸ばしながら、さらに普段から「自己投資」を行うことをお勧めします。
「人としての成長」を追求するにあたって欠かせない考え方だと言えるでしょう。
あくまで一例ですが、
・精神的な能力を鍛える
・心を成長させる
・自分の価値を高める
・自信を持つ
・経験値を高める
・人生の目的、目標を明確にする
といった、「価値ある考え方と豊かな感性」を築くために必要な考え方です。
多くの経営者が「師匠」「メンター」「コーチ」「トレーナー」が必要だと語るのは、能力開発のような「スキル」以外の部分をも高めてゆくことを重要視しているからに他なりません。
つまり、物心両面が豊かな成功者になるために必要なプロセスなのです。
これら、能力開発・自己投資は日々の仕事や人との関わりの中でも行えることですが
専門的な研修、ビジネスセッション、ワークショップなどでより実践的・体系的に学ばれることをお勧めします。
まずは「やり方」を学び
「実践」を行い
そして、「継続」することが大切です。
能力開発・自己投資は「緊急性の無いもの」とよく言われます。
投資の種類の中でも、「長期的投資」になりますが、正しく自己投資して得られた、あなただけの力は生涯に渡ってのリターンを生み出す可能性があります。
若いうちに自己投資をしておきましょうと言われるのは、このためです。
多くの人が後回しにしがちな点なのですが、人生の質を高めるために欠かせない要素、それが能力を磨くことと自分に投資をすること。
緊急でない重要事項の優先順位を高め、どれだけ実行することができるか。
チーム・組織のクオリティを高めるために、ぜひ取り入れてみて下さい。
チーム株式会社
代表取締役 太田泰史