スタッフ 2017.04.1.

ミッションの重要性

世界的な経営学者のピーター・ドラッカーはビジネスにおけるミッションについてこう述べています。
「考えるべきは、ミッションは何かである。 ミッションの価値は、正しい行動をもたらすことにある」
あるいは
「ミッションが定まれば取るべき行動は明らかである」と。

ビジネスにおいてミッションが明確であると「やるべきこと」と「やるべきでないこと」がはっきりとして、効果的な行動が可能になり、結果に結びつきやすくなります。

ミッションとは直訳すると使命のこと。では使命とは何でしょうか?
goo国語辞書には「使命とは、与えられた重大な務め。責任をもって果たさなければならない任務。とあります。

使命として主に以下の例が挙げられます。

・自分と自分の周りの人々を信頼する人生を生きる
・助け合いの精神に日々努める
・全ての人にやさしく礼儀正しく接し、敬意を払う
・誰かを変えようとする前に、まず自分が変わることを肝に銘じる
・到達できる目標を定める
・言葉ではなく、態度で語りかける
・小さなことでも当たり前だと思わない
・自分より不幸な人や、つらい日々を過ごしている人を助ける時間を作る
・他人が自分と違うことを認め、その多様性を受け入れ、大きな利点と見る

使命というと崇高なイメージがします。
それではビジネスで成功される経営者は最初から崇高な使命を持っているのでしょうか。

アメリカの心理学者アブラハム・マズローは「人間は自己実現に向かって絶えず成長する」と仮定し、人間の欲求を5段階の階層で理論化しています。

1、生理的欲求・・・生命を維持するために本能的な欲求で、食事・睡眠・排泄など。
2、安全の欲求・・・安全性、経済的安定性、良い健康状態の維持、良い暮らしの水準、事故の防止、保障の強固さなど、予測可能で秩序だった状態を得ようとする欲求。
3、社会欲求と愛の欲求・・・自分が社会に必要とされている、果たせる社会的役割があるという感覚。どこかに所属したいという欲求。
4、承認の欲求・・・自分が集団から価値があると認められ、尊重されることを求める欲求。二段階のレベルがあり、低いレベルの尊重欲求は、他者からの尊敬、地位への渇望、名声、利権、注目を求める欲求。高いレベルの尊重欲求は、自信・自律性、自分からの評価を重視する欲求があります。
5、自己実現の欲求・・・以上の4つの欲求を満たした上で、自分の持つ能力や可能性を最大限発揮し、具現化して自分がなりうるものにならなければならないという欲求。

5つ目の段階に達した時が使命を持って、それを実現するために行動している状態です。
マズローは、5つ目の段階以外の4つの欲求を満たした上でその段階に辿り着くと述べています。

ビジネスで成功した経営者もまずはひとつひとつ段階を経て最終的には『ミッション』に辿り着きます。

ビジネスのスタート時にはまず満たしたいものを決めて行動し、そして段階を上げていきましょう。その中でミッションが徐々に明確になっていきます。
そして自らのミッションに辿り着いた時には、人生の充実感を得て、正しい行動が可能で結果をつくれる自分になっているでしょう。
正しい行動を取れる個人や企業は長く繁栄していきます。

チーム株式会社
代表取締役 太田泰史