事業内容は関係ない 経営における師匠の存在
どのような事業内容でも通用する経営者。有名経営者に共通する師匠の存在
京セラの創業者である稲盛和夫氏には、パナソニックの松下幸之助氏。
ユニクロの創業者である柳井正氏には、マクドナルドの藤田田氏。
最近では、「俺のイタリアン」の創業者である坂本孝氏には、その稲盛和夫氏。
めいめいの成功者が、ご自身の著作にて経営における師匠の存在と師匠の大切さを述べています。
その一方で全て独学で、大きな業績を上げている方もいます。
稲盛氏に見ても、柳井氏に見ても師匠とは事業内容は全く異なります。
つまり経営の師から学んだことは、どのような事業内容でも通じる経営者としての根幹部分です。
師匠から学ぶ価値。冷静かつ的確に直言していただくこと
それでは、師匠から学ぶ価値はどのようなことでしょうか。
経営者は事業のトップゆえに普段、自分の事を冷静に客観的に見る力や、周囲で厳しいことを言ってくれる人がいなくなりやすい状況が起こりがちです。
いつも情熱を持ちながらも、自分の事を冷静に客観的に見る力があるからこそ、
「今世の中で何が必要とされているか」、「そのために自分がどんな存在になったらいいか」、それに対する必要な変化が分かります。
逆に、自分の事を冷静に客観的に見る力を失うと、視野が狭くなり経営判断が鈍くなります。
師匠が存在する人は、師匠の目からみて自分にどんな変化が必要か、冷静に的確に教えてもらう事が可能です。
そして、自分自身が「裸の王様」にならないためにも、厳しく直言してくれる師匠を持つ人が多いでしょう。
師匠の考え方や仕事に対する姿勢、その成功法則を学ぶことで自らが成功する可能性も高まります。
坂本孝氏と稲盛和夫氏の師弟愛
前出の坂本孝氏(以下、坂本氏)は、ご自身の著作で師匠の稲盛和夫氏(以下、稲盛氏)とのやり取りについて以下のように述べています。
坂本氏は「ブックオフ」の創業者です。
従来の古本屋のイメージを一新し国内外に800店舗まで拡大。2005年には東証一部に上場を果たしました。
ただその2年後には社内で不祥事が起こり、その責任を取る形で会長職を辞任しています。
そして辞任後は引退してハワイに引っ越して、ゆっくり生活しようとしていたそうです。
この退任劇の際に稲盛氏から呼び出されました。
そしてとんでもない剣幕でガツンと叱られたと述べています。
その時の坂本孝氏は67歳でした。
「最初は何でこんなに怒られるのかと思いました。
後で思えば、『もういっちょやってみろ』という叱咤激励だったのだと思います。
60歳を超えて叱ってくれる人がいることが有難いです。」と述べています。
そして、しばらくすると、稲盛氏がJALの会長に就任しました。
自分より8歳も上の師匠が全身全霊でJALの再建に打ち込んでいる姿を見て「自分が引退などできない、もういっちょやってみるか」と感じたそうです。
そうして立ち上げたものが、「俺のイタリアン」を代表とする「俺の」シリーズです。
まとめ
「良薬は口に苦し、されど病に利あり」
耳が痛いことほど貴重であり、そういったことをちゃんと言ってくれる方は年々少なくなります。
経営においてどのような事業内容を扱っているかは関係ないです。自分の姿勢で生き方を示してくれる師匠は本当に貴重な存在です。
あなたのことを思って本音で直言してくれる師匠と共に、大きな成果を目指しましょう。