能力開発するなら、今世の中に求められている能力を身につけましょう〜DX(デジタルトランスフォーメーション)編〜
IT革命が起きた1995年以降、世の中は目まぐるしい勢いで変化をし続けています。
世の中が変化し続けているため、企業は世の中に新しい価値を提供し続けていく必要があります。
そのためには、時代に取り残されることなく、新しい人材の採用や育成をしていかなければなりません。
もちろん、企業だけではなく、現代にいきる私たち個人個人にも世の中の流れを感じ取り、先を見据えて変化・成長し続けていくことが求められています。
それでは、今の日本で求められる人材・能力は何があるのでしょうか。
今回は、これからの世の中に価値を提供し続けてる考え方、「DX(デジタルトランスフォーメーション)」とは何かについて紹介していきます。
1.DXとは?
DX(デジタルトランスフォーメーション)は、概念ですので定義について様々な捉え方ができると思いますが、ここでは「進化したデジタル技術を浸透させることで人々の生活をより良いものへと変革すること」とします。
DXは、10年以上前から使われていた用語ですが、特に近年になって新聞やニュースで目にする機会が増えてきました。
インターネットやAIなどの最新のテクノロジーの発展により、各業界のビジネスモデルが見直されはじめ、DXを取り入れた経営戦略が考えられはじめています。
DXは今や業界を横断して、様々な分野で影響力を発揮しています。
DXの影響によって、ビジネスモデルが昇華した事例として、アメリカの「Uber」を紹介します。
日本において、「Uber」はUber Eatsによる出前のイメージやタクシーの配車アプリのイメージが強いと思いますが、アメリカではカーシェアリングサービスが主流となって実績を作っています。
カーシェアリングサービスというと聞き慣れない方も多いですが、車の配車マッチングサービスです。
もともと車に乗って移動したい人は、タクシー会社へ配車手配をしてタクシーに乗る方法が主流でした。
しかし、Uberはアプリを通して、「車に乗って移動したい人」と、「車を運転したい人」をDXによってマッチングさせることに成功しました。
このサービスにより、Uberは2つのメリットを世の中に提供できました。
一つ目は、手軽で確実な決済手段です。
アプリを通して決済を済ませるため、クレームなどのトラブルがおきにくく、ぼったくりもおきません。また、人的ミスがなくなります。
二つ目は、安心を提供する評価システムです。
Uberのアプリは誰でも利用でき、誰でもドライバーになることができます。
そのため、利用者はどんなドライバーがくるかという不安があります。
また、ドライバーもどんな利用者がサービスを利用するのか、現地に着くまでわかりません。
しかし、このアプリは評価システムを導入することで、その問題を解決しました。
その結果、マナーの悪いドライバーなどは排除されていくため、必然的にドライバーのサービスによる品質が一定以上に保たれることを可能としました。
逆に利用者の評価をドライバーがつけることができるので、利用者側もマナー良く利用するようになりました。
こうして、Uberはアプリを運営することで、大きな利益を生み出すことに成功しました。
この成功の根幹を成したのは、スマートフォンをはじめとするデジタル技術です。
このように、デジタル技術を用いることで、世の中のサービス、価値観、ライフスタイルを変えてしまうほどのインパクトを起こす価値観がDXなのです。
2.DXを進めていくためには?
これからの世の中はどんどんDXが推進していくでしょう。
その時、自分の会社はどう舵取りをしていけば良いのでしょうか。
DXを推進していくためには、DXの価値観を理解する人材の採用・育成が必要です。
求められる人材は、DXの実現に向けて、明確なビジョンを共有し、その実現に向けて具体的な取り組みができる人材ののことを指します。
そのために必要な6つの役割をIPA(情報処理推進機構)が定義付けをしています。
6つの役割とは、プロデューサー、ビジネスデザイナー、アーキテクト、データサイエンティスト(AIエンジニア)、UXデザイナー、エンジニア、またはプログラマーです。
この6つの役割を実行できる人材をいかに採用・育成するかが企業に求められています。
また、各個人がDX人材として活躍するためには、ITやデジタル技術に関する知見が必要です。
なぜなら、一人一人がネットワークやデジタルシステムに対して基礎的な知識を習得し理解するからこそ、実現可能な有効策をシェアすることができるようになるからです。
基礎的な知見が身についていれば、あとは役割に合わせて能力を伸ばしていくことが大切です。
そして、企業がDX人材を育成するために大事なポイントは3つです。
一つ目は、スペシャリストの選出です。
新しいことに取り組むにあたり、従来業務と兼任で活動に取り組ませるというのがありがちな傾向です。
新しい取り組むを始める以上、DXに専任として、専門性を高くし、全力でDXの推進にあたらせましょう。
二つ目は、挑戦しやすい環境をつくることです。
新しいことを始めるということは、事例が少ないということ。
試行錯誤を繰り返しながら有効策を練っていくので、失敗する可能性は十分にあります。
そのため、失敗したからといってすぐに責任を取らせるのではなく、ある程度許容していきましょう。
DXの推進はまだまだ未発展の分野であり、柔軟な発想からアイデアが生まれてくるはずなので、自由な意見が出やすい環境をつくっていきましょう。
三つ目は、小さく始めることです。
みなさんにはDXの重要性を十分に理解している方も多いと思います。
しかし、重要だからといって最初から大きな結果を求めすぎず、まずは小さな目標達成から積み上げていくといいですよね。
また、少しずつ成功を積み上げることにより、各DX人材が自信をつけることもできます。
3.さいごに
DXが推進される傾向にある世の中で、どのように時代の波に乗り、どのように業績を伸ばしていくかが非常に大切な課題になります。
まずは、DXの重要性に気付いた方からIT・デジタル技術の能力開発を行い、新たな取り組みを実行していってはいかがでしょうか。